炭焼き

   

           炭焼きとは・・・
          木材を炭化させることです。

          私の子供の頃は山のいたる所で炭窯がありました。
          近所のおっちゃん誰でもが炭焼きをされていましたので
          さほどの技術は要らないのかなと思っておりました。

          ところが・・・
          炭焼き修行をして感じること、こんなに難しい
          仕事はありません。
          全てが経験からできる業で一回二回で
          「炭焼きが出来ます」とか言えるものではありません。

          経験を頼りに卓越した技術で「炭焼き」をされていた
          おっちゃん達の偉大さに驚いています。
          この偉大な業に一歩でも近づきたいと思います。

          
炭の種類
          炭には黒炭と白炭があります。
          木の炭化の終了の仕方で黒炭と白炭に分けられます。
          炭化の終了=消し方です。

          黒炭
          黒炭は窯を密封して自然に火が消えて完全に
          窯が冷めてから取り出します。
          このため表面が黒いまま完成となります。

          白炭
          白炭は仕上げの段階で空気を送り窯内を高温
          にします。その後、窯からかき出して灰と土をかけて
          素早く冷却させます。このため灰がついて白っぽく
          なるので白炭と言います。

          この事から板ヶ谷で焼く炭は黒炭です。
          黒炭は木をゆっくりと炭化させるため
          良質の炭ができます。
          白炭に比べて火付きがよく古くから金属の
          精錬、鍛冶屋さんでよく使われていました。

          炭焼き作業の流れ

          炭材
          炭を焼く木はクヌギ、カシ、ナラが良いとされています。
          木の伐採は成長が止まっている11月〜3月頃が良い
          時期です。2〜3週間前に伐採したものを窯に入れる
          のが良いとのことです。
          乾燥し過ぎると炭になった時皮がはがれます。

          太さが10cm以上の材料は割って太さを均一
          にしたほうがよいです。            
  


          搬入
          窯の床面に敷き木を敷きます。
          その上に炭木を立て込みます。この時立て木は
          根元を上にして立てていきます。
          これは水掃けを良くするためだそうです。
          窯の奥から排気口を塞がないように細い木から
          だんだん太い材になるように立て込みます。

          立て木の上には上げ木を積み上げます。
          窯の天井まで隙間なく詰め込みます。

          窯口まで満遍なく詰め込みを行ないます。
          窯口近くと側壁、天井の近くは炭化しやすいので
          良い炭にしたい物はこの近くには置きません。
          窯の中央付近が一番よい炭ができます。


          焚口を作る
          よく練った赤土で窯の内壁に沿って
          レンガと土で垂直に壁を作っていきます。
          上部に25〜30cm空気の通り口を残したら
          壁の出来上がりです。


          空気口と焚口つくり
         前面に焚口(カマド)をレンガと土でつくります。
         レンガ、ひとつ分位の空気取り入れ口を床面に
         作り後はレンガを垂直に積み上げていきます。
         薪を入れて火を焚く焚口の広さは30cm×30cm
         くらいの広さを必要とします。
         煙が漏れないように完全に土で塞ぎ終えたら
         完了です。


          火入れ
          焚口が出来上がったら火を焚きますが
          その前に、煙突の確認
          煙突は窯の中の薪が乾燥するまでは
          塞いだ状態(煙突上部を空き缶で塞いでます)で火を焚きます。

          火入れ
           最初はゆっくりと急激には燃やさないこと
           窯の中の木をゆっくりと乾燥させるため
           と窯全体の温度を均一にするためです。


           火入れをして三日目位までは薪をたやさない
          ように昼夜とわず焚き火をします。

          三日目を過ぎると煙の色が変化してきます。
          窯の中の原木に火がつき炭化していくためです。



         窯止め
          この作業が炭焼きの中で一番重要な作業です。
          煙突から出る煙の色で炭化を完了させます。



             窯止めが早すぎると炭にしてときガスの刺激臭が
            でてきます。
            遅すぎると炭として残らず灰となります。
            なかなか難しい作業です。

          炭出し
           窯を十分に冷やしてから炭を出します


            まずまずの出来上がりでしょうか?